Archive for the ‘血管新生’ Category
加齢黄斑変性(症)-抗酸化ビタミンとミネラルサプリメント
エントリー「加齢黄斑変性(症) 治療のエビデンス(コクラン・レビュー)」
» http://www.qqiac.com/2005/09/__d991.html
にて、いくつかのコクラン・レビューの要約をお伝えしましたが、抗酸化ビタミンとミネラルサプリメントについては、
(再掲) Antioxidant vitamin and mineral supplements for preventing age-related macular degeneration (Cochrane Review)
Evans JR, Henshaw K
[最終改正日: 14 July 1999]
» http://www.update-software.com/Abstracts/AB000253.htm
著者らの結論は「現在までに加齢黄斑変性(症)の発症を予防したり遅らせるために、一般住民は抗酸化ビタミンとミネラルサプリメントを摂取すべきとのエビデンスはない」ということでした。
その後、Evans JR により、1つの臨床試験における抗酸化ビタミンと亜鉛サプレメントの効果と副作用がレビューされました。
Antioxidant vitamin and mineral supplements for slowing the progression of age-related macular degeneration.
Evans JR.
(再掲) [最終改正日: 26 February 2002]
» http://www.qqiac.com/2005/09/__d991.html
同レビューは2006年、改正されました。
Update [最終改正日: 19 January 2006]
» http://www.update-software.com/Abstracts/AB000254.htm
では、USAにおける臨床試験 The Age-Related Eye Disease Study (AREDS) において、「抗酸化ビタミン (ベータカロチン, ビタミン C, ビタミン E)と亜鉛サプレメントは、加齢黄斑変性 AMD 進行例の増悪に対して有効であり (調整オッズ比 0.68, 99%信頼区間 0.49 – 0.93)、ミネラルサプリメントは 15レター以上の視力悪化の可能性が少なかった (調整オッズ比 0.77, 99%信頼区間 0.58 – 1.03)」 ことがより詳しく記載されており、副作用として(再掲)「亜鉛サプレメントでは泌尿生殖器の障害での入院症例が多く見られ、抗酸化ビタミンでは皮膚の黄染が多かった」ことの他、以下の著者結論が追加されています。
Beta-carotene has been found to increase the risk of lung cancer in smokers; vitamin E has been associated with an increased risk of heart failure in people with vascular disease or diabetes.
ベータカロチンは喫煙者の肺癌リスクを増加させることが分かった; 血管病変や糖尿病を有する人で、ビタミンE は心不全のリスク増加と関係していた。
加齢黄斑変性症- interferon alfa (コクラン・レビュー)
血管新生性加齢黄斑変性(症)に対するインターフェロン アルファ抗脈管形成療法 (コクラン・レビュー)
Antiangiogenic therapy with interferon alfa for neovascular age-related macular degeneration (Cochrane Review)
Reddy U, Kryzstolik M
» http://www.update-software.com/Abstracts/AB005138.htm
The Cochrane Database of Systematic Reviews 2006, Issue 1. Art. No.: CD005138.pub2. DOI: 10.1002/14651858.CD005138.pub2.
[実質的改正 最終日 15 November 2005.]
背景: 抗脈管形成療法は血管新生性加齢黄斑変性治療の新しいアプローチです。インターフェロン アルファ Interferon alfa は血管内皮細胞の移動と増殖を抑制することにより作用する血管新生阻害剤の1つです。肝炎、固形腫瘍、血液悪性腫瘍の治療に使用されています。
目的: 血管新生性加齢黄斑変性(症)の治療法としてのインターフェロン アルファを調査することです。
調査方法, 選択基準, データ収集と解析: (邦訳を省略します)
主な結果: 臨床試験 1件が選択基準 Selection criteria「1年以上追跡調査を行ったランダム化対照試験」に該当しました。複数国45施設から参加した 481名が無作為に 4群 (3品目の interferon alfa-2a とプラセボ)に登録され、52週で3ライン以上の視力低下を来たした症例数を解析しました。
The results show an odds ratio of 1.60 (95% Confidence Interval 1.01 to 2.53) indicating that interferon is associated with a 60% increased odds of losing three or more lines at 52 weeks.
その結果は オッズ比 1.6 (95%信頼区間 1.01-2.53), インターフェロン投与は 52週で3ライン以上の視力低下を来たす確率が 60%増加することを示しています。この所見は 辛うじて統計的であり (P =0.04)、インターフェロン治療は有益というよりむしろ有害である可能性を示しています。
著者結論: 現時点では、加齢黄斑変性の治療法としてインターフェロン アルファ-2aを推奨する十分なエビデンスはありません。
脈絡膜血管新生とPDT治療
英語論文「若年成人の特発性および炎症性脈絡膜血管新生に対するPDT治療」の要約をお伝えします(本エントリー下段)。
さて、文献上、原因不明の脈絡膜新生血管は、特発性脈絡膜血管新生 idiopathic choroidal neovascularization とよぶことが多いようです。また、黄斑部病変を伴うとき、通常「中心窩下脈絡膜血管新生」などのように病変部位を明確に表示します (時に 特発性新生血管黄斑症 idiopathic neovascular maculopathyなどの医学用語となります)。
脈絡膜血管新生の下記原因リストの中で ■の付いた病気は、光線力学療法 photodynamic therapy (PDT) の治療報告があるものです。
ただし、 「特発性 idiopathic」と Cleasby GW.の報告(1976年) した「特発性限局性網膜下新生血管」
» http://www.qqiac.com/2006/01/post_6859.html
と同義語であるか否か? 投稿者自らの判断はいたしません。
参照ページ: 脈絡膜血管新生の同義語と原因
eMedicine – Neovascularization, Choroidal : Article by Lihteh Wu, MD
» http://www.emedicine.com/oph/topic534.htm
Last Updated: March 11, 2005
同義語: choroidal neovascularization, choroidal NV, CNV, subretinal neovascularization
………
原因 Causes: Virtually any pathologic process that involves the RPE and damages the Bruch membrane can be complicated by CNV.
Degenerative conditions 変性 ■ Age-related macular degeneration 加齢黄斑変性(症) ■ ARMD 加齢黄斑変性(症) ■ Myopia 近視 ■ Angioid streaks 血管線条 Inflammatory or infectious conditions 炎症または感染症 ■ Histoplasmosis ヒストプラスマ症 Sarcoidosis サルコイドーシス Multifocal choroiditis ■ Punctate inner choroidopathy PIC Choroidal tumors 脈絡膜腫瘍 Nevi 母斑 Melanoma 黒色腫 Hemangioma 血管腫 Osteoma 骨腫 Trauma 外傷 Choroidal rupture 脈絡膜破裂 Laser photocoagulation レーザー光凝固 ■ Idiopathic 特発性
若年成人の特発性および炎症性脈絡膜血管新生に対するPDT治療
Ophthalmology. 2003 Jul;110(7):1315-20.
Photodynamic therapy of idiopathic and inflammatory choroidal neovascularization in young adults.
Rogers AH, Duker JS, Nichols N, Baker BJ.
New England Eye Center, Tufts University School of Medicine, 750 Washington Street, Boston, MA 02111, USA.
[要約の邦訳]
目的: 若年成人の中心窩下脈絡膜血管新生に対するベルテポルフィン verteporfin (商品名 ビスダイン Visudyne; Novartis, Duluth, GA)を使用する光線力学療法 photodynamic therapy (PDT) を評価する。
デザイン: 後向き非比較介入研究による症例調査。
参加者: 加齢黄斑変性(症) age-related macular degeneration, 血管線条 angioid streaks, 近視 myopia に続発した脈絡膜血管新生 (CNV)発症眼を除く、典型的タイプ classic の中心窩CNV 17症例 19眼に対して、ベルテポルフィンを使用する PDT治療を行った。主な転帰の測定法: PDT前・後のスネレン (Snellen)視力。
結果: 19眼に対してPDT後、平均 12.8か月 (範囲 4-33か月)の追跡調査を行った。
治療前、視力は 20/40(0.5[注])以上 0 眼 (0.0%), 20/40(0.5)未満から 20/200(0.1)超 11 眼 (57.9%), 20/200(0.1)以下 8 眼 (42.1%)であった。
治療後、視力は 20/40(0.5[注])以上 4 眼 (21.1%), 20/40(0.5)未満から 20/200(0.1)超 8 眼 (42.1%), 20/200(0.1)以下 7 眼 (36.8%)であった。
6 眼 (31.6%)は再治療を受けたが、2回の治療は 2眼のみに行われた。4 眼では PDT後に最終的に CNVの外科的摘出手術が行われた。
結論: PDTは原因不明(特発性)および炎症原因による中心窩下脈絡膜血管新生を来たした若年成人症例の視力を安定および改善するために有用であるようです。
訳者注: ( )内の視力は、分数視力(Snellen)を日本で一般的な国際標準小数視力表示に訳者が換算したものです。
特発性網膜下新生血管の自然経過
海外では、加齢黄斑変性、病的近視のほか、眼ヒストプラスマ症候群 (ocular histoplasmosis syndrome OHS) 、血管線条、特発性 (原因不明のこと)による脈絡膜血管新生についても、ベルテポルフィン光線力学療法 PDT (ocular photodynamic therapy with verteporfin) の有用性が報告されています。
しかし、若年者に多い下記の「特発性中心窩下脈絡膜血管新生」 「特発性限局性網膜下新生血管」症例では、必ずしも自然経過が不良ということではありませんので、誤解が生じないよう論文要約をお伝えいたします。
(1) 特発性中心窩下脈絡膜血管新生の自然経過
Ophthalmology. 1995 May;102(5):782-9.
The natural history of idiopathic subfoveal choroidal neovascularization.
Ho AC, Yannuzzi LA, Pisicano K, DeRosa J.
Vitreoretinal Service, University of Pennsylvania, Scheie Eye Institute 19104, USA.
[要約の邦訳]
目的: 若年患者の特発性中心窩下脈絡膜血管新生 (idiopathic subfoveal choroidal neovascularization CNV) の長期自然経過を調査研究する。
方法: 診療所 1施設と都市部の眼科病院 1施設にて特発性中心窩下脈絡膜血管新生と診断された 19連続症例の後向き調査。
結果: 特発性脈絡膜血管新生が見られた 87連続症例のうち 23症例 (26%)は、中心窩下の脈絡膜血管新生 CNV を呈した。中心窩下病変を有する 19症例は 中央値 87か月 (範囲, 5-230か月)の追跡調査がなされていた。初回の検査時、最高矯正スネレン (Snellen)視力の中央値は 20/100 [注 0.2] (範囲, 20/40[0.5]-指数弁); 最終検査時, 視力の中央値は 20/70 [0.285 およそ 0.3] (範囲, 20/20[1.0]-指数弁)であった。95%の患者の視力は安定するか有意に改善したが、一方 5%の患者のみ視力は有意に低下した。CNV のサイズが長期的な最終視力に関連する唯一の変数であった。初回の蛍光眼底血管造影を行った時、1×視神経乳頭面積 disc area 以下の病変は、より大きい病変に比べて最終視力 20/60 [0.33, およそ 0.3]以上と関連しやすく、最終視力 20/200 [0.1]以下と関連する可能性は低かった (P = 0.038)。これらの結果はロジスティック回帰分析にて確認された (P = 0.027)。経過観察中、他眼には発症していなかった。
結論: 特発性中心窩下脈絡膜血管新生は必ずしも重度の視力低下を来たすわけではない。このタイプの中心窩下病変に対する治療は良好な自然経過の可能性を考慮すべきである。
注: [ ]内の視力は、分数視力(Snellen)を日本で一般的な国際標準小数視力表示に訳者が換算したものです。
(2) 特発性限局性網膜下新生血管
Am J Ophthalmol. 1976 May;81(5):590-9.
Idiopathic focal subretinal neovascularization.
Cleasby GW.
[要約の邦訳]
20症例において、「特発性限局性網膜下新生血管」は中心窩網膜または中心窩近傍に生ずる網膜下新生血管の孤立病巣 solitary focusで、病巣を覆っている感覚網膜(神経上皮)および病巣に接している神経上皮の漿液性剥離ないし出血性剥離、または両方を伴うことが特徴であった。その病変は、推定眼ヒストプラスマ症候群 presumed ocular histoplasmosis syndrome に見られる新生血管板(膜)に類似していたが、本症候群の診断に絶対必要であるといわれている他の特徴的な随伴眼所見はなかった。この症例グループでは、ヒストプラズミン皮膚試験 histoplasmin skin test の陽性頻度は一般住民と同じ程度であった。20症例の中で、2名は両眼性であった。全例で患眼や他眼にそれ以外の病変はなかった。本疾患は、その期間は一定ではないが、自己限定的 self-limited (注)である, しかし、中心視力低下を伴う広範な瘢痕を来たす可能性がある。
注:「self-limited」 » スペースアルク:英辞郎
"治療をしないでも長期的には症状が落ち着いたり収まる性質のある"
病的近視のベルテポルフィン治療-2年-VIPレポート
病的近視は、(強度近視に伴う)変性近視 Degenerative myopiaH44.2 と同義語ですが、光線力学療法 (ベルテポルフィン治療)の対象眼は、国内では加齢黄斑変性(症)と同じ国際疾病分類 H35.3 に分類されることがあります。
病的近視のために中心窩下脈絡膜新生血管病変を来たした患者のうち、病変の最大直線寸法 5400μm以下, 最高矯正視力 letter スコア 50以上 (近似スネレン等価視力 20/100以上 [訳者注: 日本で一般的な国際標準小数視力表示にさらに換算すると, 0.2以上]などの基準を満たす患者を対象とした臨床試験が欧州、北アメリカの合計28の眼科施設で行われています。研究班 Verteporfin in Photodynamic Therapy Study Group が継続して実施している臨床試験(治験) であり、VIP Trialともよばれます (病的近視 pathological myopia (PM)を対象とした本試験を VIP-PM と別称することもあります)。
試験デザイン: 多施設, 2重盲検, 偽薬対照化, 無作為比較臨床試験
multiple, double-masked, placebo-controlled, randomized clinical trial
エントリー「病的近視とベルテポルフィン治療 (その1)」
» http://infohitomi.biz/archives/000059.html
もご覧下さい。
本試験の1年目の結果の抄訳は省略します。
Ophthalmology. 2001 108:841-52.
Verteporfin in Photodynamic Therapy (VIP) Study Group. Photodynamic therapy of subfoveal choroidal neovascularization in pathologic myopia with verteporfin: 1-year results of a randomized clinical trial–VIP report 1.
病的近視の中心窩下脈絡膜新生血管に対するベルテポルフィン治療: ランダム化臨床試験の2年結果–VIPレポート no.3
Ophthalmology. 2003 Apr;110(4):667-73.
Verteporfin therapy of subfoveal choroidal neovascularization in pathologic myopia: 2-year results of a randomized clinical trial–VIP report no. 3.
Blinder KJ, Blumenkranz MS, Bressler NM, Bressler SB, Donato G, Lewis H, Lim JI, Menchini U, Miller JW, Mones JM, Potter MJ, Pournaras C, Reaves A, Rosenfeld P, Schachat AP, Schmidt-Erfurth U, Sickenberg M, Singerman LJ, Slakter JS, Strong HA, Virgili G, Williams GA.
[要約の結論]
病的近視に発生する中心窩下脈絡膜新生血管に対するベルテポルフィン治療は2年間の追跡調査により、プラセボ(偽薬)治療群に比べて安全に視力 visual benefit を保持した。2年追跡調査では、第一義的(主要)な結果 primary outcome については、1年追跡調査のようなベルテポルフィン治療を支持する統計学的に有意な結果はなかった が、24か月時点の検査における視力変動の分布はベルテポルフィン治療群を支持し、24か月間の検査にて治療群は視力改善しやすい可能性を示した。The VIP Study Group はこのランダム化臨床試験の 1年-および 2年結果に基づき、病的近視による中心窩下脈絡膜新生血管に対するベルテポルフィン治療を推奨する。[アンダーラインは訳者による]
[論文の一部、結果のみ邦訳します]
2年結果は、2000年10月10日に完了しました。
24か月検査は、verteporfin 治療群 81症例中 77例 (95%)、偽薬群 39症例中 36例 (92%)に行われました。2年目には追跡調査できなかった症例は、治療群 3% 偽薬群 0% でした。
21か月の検査時(最終の再治療時期)、治療群 23例 (28%), 偽薬群 9例 (23%)が治療を受けました。
12か月の検査時の治療群 57%, 偽薬群 51% に比べて、減少しました。
12か月から21か月の期間中の平均治療回数:
治療群 1.7回, 偽薬群 1.4回 (P = 0.23)
試験開始から21か月まで平均治療回数:
治療群 5.1回, 偽薬群 4.6回 (P = 0.19)
視力結果 Vision Outcomes [訳者注: 治験デザインより症例数=眼数です]
24か月の検査時、少なくとも 8 letters (近似スネレン等価視力 approximate Snellen equivalent 少なくとも 1.5ライン)の視力低下:
治療群 29/81眼 (36%), 偽薬群 20/39眼 (51%) (P = 0.11)
3か月毎の追跡調査をみると、治療群では6ヶ月から24か月の期間において少なくとも 8 letters 低下した眼数の変化はほとんどなく、偽薬群 (39眼だけであるが) の変動幅は大きかった。
24か月の検査時の視力変動の分布は、ベルテポルフィン治療を受けた症例の有益性を支持している。
中央値 (P = 0.05): 治療群 +0.2ライン (+1.0 letters), 偽薬群 -1.6ライン (-8.0 letters)
[訳者注: + 改善, – 低下]
少なくとも 5 letters (近似スネレン等価視力 approximate Snellen equivalent 少なくとも 1ライン)の視力改善:
治療群 32/81眼 (40%), 偽薬群 5/39眼 (13%)
少なくとも 15 letters (少なくとも 3ライン)の視力改善:
治療群 10/81眼 (12%), 偽薬群 0/39眼 (0%)
少なくとも 15 letters (少なくとも 3ライン)の視力低下(中等度低下):
治療群 17/81眼 (21%), 偽薬群 11/39眼 (28%) (P = 0.38)
24か月の検査時
視力(中央値): 治療群 61 letter score (20/64+1) [訳者注: 国際標準小数視力 0.3より少し良い], 偽薬群 51 letter score (20/100+1) [訳者注: 小数視力 およそ 0.2] (P = 0.07)
試験開始前の視力との比較:
3か月目から24か月目の全期間を通して治療群は安定していた。
コントラスト感度スコア:
24か月間通して治療群(73眼)は安定し、偽薬群(34眼) はほんのわずかな悪化あり。
蛍光眼底造影結果 Fluorescein Angiographic Outcomes:
24か月検査時(判定困難例を除く)、治療前の病変を越えた、典型的CNV (classic choroidal neovascularization の拡大があった進行例:
治療群 35% (75眼中), 偽薬群 43% (37眼中) (P = 0.22)
治療前病変と比較して(病変の拡大とは無関係に)、classic型の脈絡膜新生血管 CNVが消失した頻度:
治療群において12か月から24か月の期間に 6%増加しました (対照群 18%)。
蛍光漏出なし:
治療群 44% (75眼中), 偽薬群 51% (37眼中) (P = 0.46)
24か月の検査時の病変サイズ:
1乳頭径以下:
治療群 55% (76眼中), 偽薬群 36% (39眼中) (P = 0.05)
3乳頭径を越えるサイズ:
治療群 9% (76眼中), 偽薬群 28% (39眼中) (P = 0.01)
安全性 Safety
治療との関連性の有無にかかわらず発生した有害事象(治療群 81例中, 偽薬群 39例中):
治療群 59症例 (73%), 偽薬群 27症例 (69%)
治療担当眼科医により治療に関連したと判断されたもの:
治療群 25症例 (31%), 偽薬群 13症例 (33%)
臨床関連の有害事象 (治療との関連性を問わず):
[訳者注 以下に治療群 症例数 (%) 偽薬群 症例数 (%)の順に表示します]
■ 視力障害
19(23) 8(21)
[12か月時点 17 8]
■ 注射部位の有害事象
8(10) 2(5)
疼痛, 浮腫, 血管外漏出, 炎症, 出血, 変色など
[12か月時点 6 0]
■ 注射による背部痛
1(1) 0(0)
[12か月時点 1 0]
■ アレルギー反応
3(4) 2(5)
■ 光線過敏反応
3(4) 1(3)
[12か月時点 治療群 3]
死亡例 なし
網膜血管閉塞性病変 なし
治療7日以内の重篤な急性視力低下 なし
潜在的な眼部有害事象に関して、治療前に比べて 24か月時点で網膜内出血や網膜下出血の増加がみられた症例は治療群 7%, 偽薬群 5% とほぼ同じであった。
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