evidence-based medicine

Chlamydia trachomatis-tryptophan synthase 遺伝子と臓器向性

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クラミジア トラコマティス Chlamydia trachomatis の組織親和性 tissue tropism (または 臓器向性 organotropism)について、最近の知見をお知らせいたします。

流行性トラコーマ endemic trachoma は、(かつて日本国内で流行し)現在でも発展途上国の第2,3位の失明原因です。クラミジア トラコマティス Chlamydia trachomatisの中の血清型 A、C、Baなどが原因菌ですが、(下記の) trpBA遺伝子活性がないものは、生殖器での持続感染は成立しません。
一方、トリプトファン生合成酵素活性を有する生殖器系分離株 (トラコーマ型 B型も含まれます)は、性感染症のほか、新生児、乳児、成人のクラミジア結膜炎、肺炎、口腔・鼻腔・咽頭炎などを来たします。

組織親和性・臓器向性に関係する遺伝子:
眼トラコーマ ocular trachoma 分離株は、トリプトファン シンターゼ (trpBA)遺伝子の不活性化変異がみられます。生殖器 (性器) genital分離株はすべて機能的な酵素活性を有していました。よって、生殖器に常在する細菌が産生するインドールを利用しトリプトファンを合成するため (レスキュー・メカニズム)、宿主が産生するインターフェロン γ (interferon IFN-gamma)に対抗し、持続感染が可能となります。
インターフェロン γ の細胞障害作用は、トリプトファン異化代謝酵素を誘導し、トキソプラズマ原虫 Toxoplasma gondii やクラミジア トラコマティスなど細胞内で感染する微生物に阻害的に作用することであるといわれています。

J Clin Invest. 2003 Jun;111(11):1757-69.
Polymorphisms in Chlamydia trachomatis tryptophan synthase genes differentiate between genital and ocular isolates.
Caldwell HD, Wood H, Crane D, Bailey R, Jones RB, Mabey D, Maclean I, Mohammed Z, Peeling R, Roshick C, Schachter J, Solomon AW, Stamm WE, Suchland RJ, Taylor L, West SK, Quinn TC, Belland RJ, McClarty G.
Laboratory of Intracellular Parasites, Rocky Mountain Laboratories, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, NIH, Hamilton, Montana, USA.

The fact that ocular serovars (serovar B) isolated from the genital tract were found to possess a functional synthase provided further persuasive evidence of this association.

生殖(器)系から分離された眼トラコーマ型の血清型 (serovar B)株が機能的シンターゼを有していることが発見された事実は、(訳者注: トリプトファン生合成とインターフェロン ガンマ 耐性との) 関連性について、さらに説得力のあるエビデンスを与えた。

J Clin Invest. 2003 Jun;111(11):1757-69.
New insights into a persistent problem — chlamydial infections.
Morrison RP.
Department of Microbiology, Montana State University, Bozeman, Montana 59717, USA.

FASEB J. 1991 Aug;5(11):2516-22.
Relationship between interferon-gamma, indoleamine 2,3-dioxygenase, and tryptophan catabolism.
Taylor MW, Feng GS.
Department of Biology, Indiana University, Bloomington 47405.

流行性トラコーマを来たす血清型 Bの変異株は、現在でも日本人妊婦の子宮頸管から低頻度 (2.8%)ですが検出されています。

FEMS Immunol Med Microbiol. 2000 Jan;27(1):35-41.
Analysis of Chlamydia trachomatis serovars in endocervical specimens derived from pregnant Japanese women.
Ikehata M, Numazaki K, Chiba S.
Department of Pediatrics, Sapporo Medical University School of Medicine, S.1 W.16 Chuo-ku, Sapporo, Japan.
[要約の抄訳]
無症状の日本人妊婦の子宮頸管から採取された218検体中のクラミジア分離株血清型 serovar

D 19.3%
E 24.3%
F 11.0%
G 17.9%
H  6.9%
I  6.9%
J  2.3%
K  4.1%
複数同時 1.8%
B 変異株 2.8%
D/IC-Cal-8 2.3%

他の参照ページ: 国立情報学研究所 学協会情報発信サービス
性器クラミジア感染症(Genital Chlamydial Infection)
» http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsb/infect/shikkan/1402seik_1.html

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Written by support

2006/02/19 @ 16:52

カテゴリー: STD

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