evidence-based medicine

コンタクトレンズによる角膜変形

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コンタクトレンズ起因性角膜変形 contact lens-induced corneal warpage は、下記の Schornack M.の発表を引用するまでもなく、旧タイプの PMMA素材ハードレンズで最も高頻度にみられますが、角膜変形の報告例の約 27%は ハイドロゲル・ソフトコンタクトレンズで発生しているとのことです。
warpage とは、英語辞書によると、板の"反り"のことで、corneal warpage は"角膜変形"と訳されることが多いようです。ハイドロゲルレンズとは、含水性の(現在、主流の)ソフトレンズ です。
角膜変形の有無は、特に、屈折矯正角膜手術 keratorefractive surgery に際して手術成績に関係する重要な問題ですが、眼科日常診療においても眼科医は、その諸症状・所見、発生頻度、回復時期などについての知識が必要です。
Cont Lens Anterior Eye. 2003 Sep;26(3):153-9.
Hydrogel contact lens-induced corneal warpage.
Schornack M.
Department of Ophthalmology, Mayo Clinic, 200 First Street SW, Rochester, MN 55905, USA.

BACKGROUND: Although contact lens-induced corneal warpage is most frequently associated with PMMA lenses, approximately 27% of reported cases of corneal warpage have been attributed to hydrogel lens wear. ………… Clinical signs of corneal warpage include changes in refractive error, decreased visual acuity with spectacle correction, and changes in corneal topography.…………

[要約の抄訳]
屈折異常(値)が変化したり、眼鏡使用時の視力が低下したり、角膜トポグラフィ (角膜形状解析法) の変化を来たします。
角膜形状変化の原因 (可能性)
(1) 機械的変形
(2) 慢性的な代謝障害: 一部のハイドロゲルレンズでは酸素透過率の制約のため慢性低酸素状態 chronic hypoxia とアシドーシス acidosisを来たす可能性があり、角膜生理学の変化が臨床的に有意な角膜変形を起こす。
(3) 両方

屈折矯正手術前のコンタクトレンズ起因性角膜変形の解消までの期間
CLAO J. 2002 Oct;28(4):169-71.
Time to resolution of contact lens-induced corneal warpage prior to refractive surgery.
Wang X, McCulley JP, Bowman RW, Cavanagh HD.
Department of Ophthalmology, The University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas, 75390-9057, USA.
[要約の邦訳]
目的: 屈折矯正角膜手術前のコンタクトレンズ起因性角膜変形の解消について評価する。
方法: 著者らは屈折矯正角膜手術評価を目的としたコンタクトレンズ装用患者で連続症例 165眼に対して前向き調査を行った。有意な (significant) コンタクトレンズ起因性角膜変形は、角膜トポグラフィ検査にて 11症例 20眼で検出された。顕性屈折検査、ケラトメトリー (角膜曲率測定)、角膜トポグラフィを週毎または隔週毎の再評価の期間中、続けて記録し、安定性について以前の測定結果と比較した。年齢、性別、コンタクトレンズ・タイプ、コンタクトレンズ装用期間の影響、安定化する回復までの期間を解析した。
結果: 有意なコンタクトレンズ起因性角膜変形の頻度は全体として 12%であった。レンズに関連する変形がみられた患者では、コンタクトレンズ装用歴は平均 21.2年 (範囲 10年から 30年)であった; 終日装用 (デイリー)ソフト (n=2), 連続装用ソフト (n=6), 乱視用(トーリック) (n=4), 酸素透過性ハード (n=8)。有意なトポグラフィ・パターンの差を伴う屈折度数 3.0ジオプター (D), ケラトメトリー値 2.5Dまでのシフトが観察された。屈折検査値、ケラトメトリー値 (変化 +/- 0.5D以内)、トポグラフィ・パターンが安定する平均回復時間は 7.8+/-6.7 週 (範囲 1週 から 20週)であった。回復速度はレンズタイプ間で異なった: 連続装用ソフト 11.6+/-8.5週, 乱視用 (トーリック)ソフト 5.5+/-4.9週, 終日装用 (デイリー)ソフト 2.5+/-2.1 週, 酸素透過性ハード 8.8+/-6.8 週であった。
結論 著者らは屈折矯正角膜手術の評価を行った患者の 12% において、有意なコンタクトレンズ起因性角膜変形を観察した。変形はすべてのコンタクトレンズ・タイプで発生したが、変形が解消する速度は異なっていた。屈折矯正角膜手術手技の質と予見可能性を最適化するために、コンタクトレンズ起因性角膜変形の安定化に際して適切な待機期間が必要である。屈折矯正角膜手術の患者スケジュール調整前に、顕性屈折検査、ケラトメトリー、角膜トポグラフィ・パターンが連続し安定することにより角膜変形の解消が実証されることを著者らは提言する。

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2006/01/30 @ 16:15

カテゴリー: 角膜

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