evidence-based medicine

脈絡膜血管新生とPDT治療

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英語論文「若年成人の特発性および炎症性脈絡膜血管新生に対するPDT治療」の要約をお伝えします(本エントリー下段)。
さて、文献上、原因不明の脈絡膜新生血管は、特発性脈絡膜血管新生 idiopathic choroidal neovascularization とよぶことが多いようです。また、黄斑部病変を伴うとき、通常「中心窩下脈絡膜血管新生」などのように病変部位を明確に表示します (時に 特発性新生血管黄斑症 idiopathic neovascular maculopathyなどの医学用語となります)。
脈絡膜血管新生の下記原因リストの中で ■の付いた病気は、光線力学療法 photodynamic therapy (PDT) の治療報告があるものです。
ただし、 「特発性 idiopathic」と Cleasby GW.の報告(1976年) した「特発性限局性網膜下新生血管」
   » http://www.qqiac.com/2006/01/post_6859.html
と同義語であるか否か? 投稿者自らの判断はいたしません。
参照ページ: 脈絡膜血管新生の同義語と原因
   eMedicine – Neovascularization, Choroidal : Article by Lihteh Wu, MD
   » http://www.emedicine.com/oph/topic534.htm
Last Updated: March 11, 2005

同義語: choroidal neovascularization, choroidal NV, CNV, subretinal neovascularization
………
原因 Causes: Virtually any pathologic process that involves the RPE and damages the Bruch membrane can be complicated by CNV.

Degenerative conditions 変性
■ Age-related macular degeneration 加齢黄斑変性(症)
■ ARMD 加齢黄斑変性(症)
■ Myopia 近視
■ Angioid streaks 血管線条
Inflammatory or infectious conditions 炎症または感染症
■ Histoplasmosis ヒストプラスマ症
Sarcoidosis サルコイドーシス
Multifocal choroiditis
■ Punctate inner choroidopathy PIC
Choroidal tumors 脈絡膜腫瘍
Nevi 母斑
Melanoma 黒色腫
Hemangioma 血管腫
Osteoma 骨腫
Trauma 外傷
Choroidal rupture 脈絡膜破裂
Laser photocoagulation レーザー光凝固
■ Idiopathic 特発性

若年成人の特発性および炎症性脈絡膜血管新生に対するPDT治療
Ophthalmology. 2003 Jul;110(7):1315-20.
Photodynamic therapy of idiopathic and inflammatory choroidal neovascularization in young adults.
Rogers AH, Duker JS, Nichols N, Baker BJ.
New England Eye Center, Tufts University School of Medicine, 750 Washington Street, Boston, MA 02111, USA.
[要約の邦訳]
目的: 若年成人の中心窩下脈絡膜血管新生に対するベルテポルフィン verteporfin (商品名 ビスダイン Visudyne; Novartis, Duluth, GA)を使用する光線力学療法 photodynamic therapy (PDT) を評価する。
デザイン: 後向き非比較介入研究による症例調査。
参加者: 加齢黄斑変性(症) age-related macular degeneration, 血管線条 angioid streaks, 近視 myopia に続発した脈絡膜血管新生 (CNV)発症眼を除く、典型的タイプ classic の中心窩CNV 17症例 19眼に対して、ベルテポルフィンを使用する PDT治療を行った。主な転帰の測定法: PDT前・後のスネレン (Snellen)視力。
結果: 19眼に対してPDT後、平均 12.8か月 (範囲 4-33か月)の追跡調査を行った。
治療前、視力は 20/40(0.5[注])以上 0 眼 (0.0%), 20/40(0.5)未満から 20/200(0.1)超 11 眼 (57.9%), 20/200(0.1)以下 8 眼 (42.1%)であった。
治療後、視力は 20/40(0.5[注])以上 4 眼 (21.1%), 20/40(0.5)未満から 20/200(0.1)超 8 眼 (42.1%), 20/200(0.1)以下 7 眼 (36.8%)であった。
6 眼 (31.6%)は再治療を受けたが、2回の治療は 2眼のみに行われた。4 眼では PDT後に最終的に CNVの外科的摘出手術が行われた。
結論: PDTは原因不明(特発性)および炎症原因による中心窩下脈絡膜血管新生を来たした若年成人症例の視力を安定および改善するために有用であるようです。

訳者注: ( )内の視力は、分数視力(Snellen)を日本で一般的な国際標準小数視力表示に訳者が換算したものです。

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2006/01/28 @ 10:29

カテゴリー: 血管新生

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