evidence-based medicine

アレルギー性結膜炎-ヤケヒョウヒダニ-眼粘膜誘発試験

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アレルギー性結膜炎WHO 国際疾病分類 International Classification of Diseases ICD-10H10.1 の点眼治療薬が市販される前に実施される臨床試験において、偽薬(プラセボ)投与群を対照とし、かつ、特定の感作抗原(アレルゲン)を用いて、臨床試験中に眼粘膜誘発試験を行いながら、効果(治療効果および予防効果)や有害事象(耐容性など)を評価する試験方法は、国内では主流ではありません。
また、塩酸レボカバスチン点眼液(国内商品名: リボスチン点眼液 0.025%) については、誘発試験による海外の臨床試験では雑草などの花粉症に有効とされていますが、ハウスダストに含まれるダニを抗原とする試験は現時点では下記の Mortemousque Bらの論文のみです (2005/12/18 PubMed オンライン検索にて)。因みに、本論文では、ダニ抗原点眼5分後、本剤を一回点眼しただけでは偽薬に比べて有意な治療効果がなかったと報告されています。

ヤケヒョウヒダニ による眼粘膜誘発試験によって惹起されたアレルギー性結膜炎に対する 0.05%メキタジン点眼液の効果と耐容性を 0.05%レボカバスチンおよび偽薬点眼と比較するランダム化二重盲検試験.
Br J Ophthalmol. 2004 Mar;88(3):336-40.
Randomised double masked trial comparing the efficacy and tolerance of 0.05% mequitazine eye drops versus 0.05% levocabastine and placebo in allergic conjunctivitis induced by a conjunctival provocation test with Dermatophagoides pteronyssinus.
Mortemousque B, Jacquet A, Richard C, Depont F, Colin J, Moore N.
Service d’Ophtalmologie, CHU de Bordeaux, 33076 Bordeaux, France.
[要約の邦訳(一部、意訳)]
目的: ハウスダスト (室内塵 house dust)のダニ mite, ヤケヒョウヒダニ (Dermatophagoides pteronyssinus) にアレルギーを有する以外に健康な被験者を対象として、0.05%メキタジン (mequitazine)点眼液と 0.05%レボカバスチン(levocabastine)および偽薬点眼を比較するランダム化二重盲検試験を実施した。
方法: 3つの並行実施の治療群を比較する二重マスク化、無作為化、単一施設試験. 少なくとも 2年間、ハウスダスト・ダニに対するアレルギー性結膜炎の病歴が確定されている 60名の健康成人が試験に参加し、完了した。眼粘膜誘発試験 (conjunctival provocation test CPT) は、スクリーニング時, 1週間後 (V2, visit 2), V2の 2週間後 (V3, visit 3)に行われた。治療薬 (訳者注: 偽薬を含む)は同一眼に点眼し、V2で CPT 5分後、その後 V3 まで一日2回点眼を続けた。 CPT試験の採点は、ヤケヒョウヒダニ抗原の点眼後、5, 10, 15, 60分時点で行った(スコア化)。スクリーニング時に決定した抗原量での試験(V2 curative test 治療効果を評価する試験), 抗原量を増やしたときの陽性率 (V3 preventive test 予防効果を評価する試験)を調査した。
結果: V2 (治療的)試験にて、発赤+掻痒感スコア redness+itching score については、積極的治療群と偽薬群の間で有意な差はなかった。V3 (予防的) CPT試験にて、閾値用量で陽性反応となった症例数(a number of reactions at the threshold dose) は 偽薬 (60%, p = 0.01) や レボカバスチン (45%, p = 0.10)に比べて、メキタジン (20%) で低かった。
結論: 本試験において、CPT刺激後に一回点眼を行ったとき、抗ヒスタミン点眼薬は偽薬に比べて (訳者注:発赤+掻痒感スコアで評価した) 治療効果優位性 curative superiority を明確に示すことはできなかった。しかしながら、2週間治療後であれば、0.05% メキタジン点眼液は偽薬に比べて CPTに対する反応の予防効果に優れていた。

  エントリー「レボカバスチン点眼液-予防的効果と治療的効果」
  » http://infohitomi.biz/archives/000066.html
もご一読下さい。
[用語解説]
  アレルギー情報センター
  » http://www.allergy.go.jp/allergy/yougo/ya.html
· ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)
· 誘発試験
conjunctival provocation test (眼粘膜誘発試験 CPT)はアレルゲン点眼により結膜を直接刺激し、アレルギー性結膜炎を惹起する検査法です。

持続性抗ヒスタミン剤 メキタジン [洋名: Mequitazine]
医薬品インタビューフォーム(PDFファイル):
  » http://www.tsuruhara-seiyaku.co.jp/if_pdf/i_m30.pdf

2.製品の特徴及び有効性
メキタジンはフランスで開発され、ヒスタミンをはじめ各種のケミカルメディエーターに対して拮抗作用を有する。その作用は他の抗ヒスタミン剤に比し持続性で、また、中枢に対する作用は少ない。

H1ブロッカー 塩酸レボカバスチン [洋名: levocabastine hydrochloride]
医薬品インタビューフォーム(PDFファイル):
  » http://www.nippon-shinyaku.co.jp/medicine/product/ra/livostin/data/interview_livostin_eye_0412.pdf

1.アレルギー性結膜炎に効果を示すH1ブロッカー点眼液です。
2.強力で特異的なヒスタミンH1拮抗作用を有します(モルモット、ラット、in vitro)。
3.アレルギー性結膜炎の主訴であるそう痒感、充血等を速やかに改善します。

訳者注: キーワード<levocabastine> & <conjunctival provocation test>(レボカバスチン+眼粘膜誘発試験)でヒットした臨床試験
上記のMortemousque Bらの論文以外は、すべて花粉(grass pollen 雑草など)アレルギーを対象としていた(全 5編. 2005/12/18 PubMed オンライン検索にて)。

(1) J Fr Ophtalmol. 2005 Mar;28(3):244-50.
Comparison of three antiallergic eyedrops in a specific conjunctival provocation test: mequitazine, levocabastine and dexamethasone
Richard C, Bibas P, Lablache-Combier M, Allaire C.
Laboratoire Chauvin/Bausch & Lomb, Montpellier, France.
(2) J Allergy Clin Immunol. 1996 Dec;98(6 Pt 1):1045-50.
Comparison of effects of topical levocabastine and nedocromil sodium on the early response in a conjunctival provocation test with allergen.Hammann C, Kammerer R, Gerber M, Spertini F.
Department of Medicine, Centre Hospitalier Universitaire Vaudois, Lausanne, Switzerland.
(3) Allergy. 1990 Jan;45(1):18-21.
Topical levocabastine protects better than sodium cromoglycate and placebo in conjunctival provocation tests.
Rimas M, Kjellman NI, Blychert LO, Bjorksten B.
Department of Pediatrics, Faculty of Health Sciences, Linkoping University, Sweden.
(4) J Allergy Clin Immunol. 1988 Oct;82(4):590-4.
Effect of levocabastine, a new H1 antagonist, in a conjunctival provocation test with allergens.
Zuber P, Pecoud A.
Department of Medicine, Centre Hospitalier Universitaire, Lausanne, Switzerland.
(5) Int Arch Allergy Appl Immunol. 1987;82(3-4):541-3.
Effect of a new selective H1 receptor antagonist (levocabastine) in a nasal and conjunctival provocation test.
Pecoud A, Zuber P, Kolly M.

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Written by support

2005/12/18 @ 18:20

カテゴリー: Uncategorized

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