evidence-based medicine

Archive for 10月 2005

結膜病変の頻度

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成人の結膜病変. 臨床的および病理組織学的レビュー.
Cornea. 1987;6(2):78-116.
Conjunctival lesions in adults. A clinical and histopathologic review.
Grossniklaus HE, Green WR, Luckenbach M, Chan CC.
[要約の邦訳]
61年間に得られた成人 (15才超)の結膜病変 計 2,455 をレビューし、組織病理学的に 先天性, 後天性上皮性, 後天性上皮下性, 色素性, 炎症性/変性, その他 に分類した。最も多い病変を頻度の多い順に列記すると、翼状片, 母斑, 異形成, 非特異的非肉芽腫性炎症, 上皮性封入嚢胞 であった。

pterygium, nevus, dysplasia, nonspecific nongranulomatous inflammation, and epithelial inclusion cyst

成人で最も多い結膜悪性腫瘍は 扁平上皮癌であり、次いで黒色腫、脂腺癌に伴うパジェトイド(表在拡大)変化であった。

squamous cell carcinoma, followed by melanoma, and pagetoid change associated with sebaceous gland carcinoma

扁平上皮癌は、軽度, 中等度, 高度の異形成の進行期から発生する。これらの腫瘍は潜在的には低悪性度であるが、紡錘細胞 spindle cellおよび粘液性類表皮 mucoepidermoid 型 variantではより悪性となる可能性がある。黒色腫 メラノーマは、母斑または、多くは後天性メラノーシスから新たに de novo 発生し、転移による関連死亡率 14-32% である。脂腺癌は、しばしば初期には臨床的に誤診され、パジェトイド(表在) 拡大により結膜が侵されるが、早期に診断し切除縁の凍結切片のモニター検査を行う切除法であれば転移率と死亡率を低くできる。
関連エントリー:
  「結膜母斑」
 » http://ebm.name/archives/000592.html
  「結膜の悪性黒色腫」
 » http://ebm.name/archives/000591.html

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2005/10/31 at 17:54

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再発性角膜びらん

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再発性角膜びらん (recurrent corneal erosion RCE) のエントリーと解説ページ:
 » http://cgi12.plala.or.jp/yamamura/topics/index.cgi?page=37
 » http://ebm.name/archives/000607.html
外傷後の再発性角膜びらん: 統計的研究
Ann Ophthalmol. 1985 Sep;17(9):521-2, 524.
Recurrent corneal erosion after trauma: a statistical study.
Weene LE.
[要約の邦訳]
外傷性角膜上皮剥離を呈した 377例の連続症例の記録を調査した。29症例 (7.69%)は再発性角膜びらんのエピソードを少なくとも1回経験していた。20才未満の患者では再発はなかった (P<0.01)。初発部の上皮剥離の大きさと再発率とは関連性がなかった。ペーパー、指の爪、低木と枝による外傷は他のすべての物質に比べて、4.9倍再発しやすかった (P<0.001)
Eye. 2005 Jul 15;
Pathogenesis, clinical features and management of recurrent corneal erosions.
Ramamurthi S, Rahman MQ, Dutton GN, Ramaesh K.
1Tennent Institute of Ophthalmology, Gartnavel General Hospital, Glasgow, UK.
[要約の一部邦訳]
<上略>大多数の再発性角膜びらん (RCE)患者は、外傷が誘因となります。角膜上皮, 角膜実質, 角膜内皮のジストロフィがRCEに関連するといわれています。RCEを来たす可能性のある他の原因として、化学的外傷および熱外傷, ヘルペス性角膜炎の既往, マイボーム腺機能障害, 眼部の酒さ rosacea, 糖尿病, ザルツマン結節状変性症 Salzmann’s nodular degeneration, 帯状角膜症, 細菌性角膜潰瘍の既往, 乾性角結膜炎, 表皮水疱症 epidermolysis bullosa があります。<中略>(治療法として)

長期間のコンタクトレンズ装用
自家血清点眼液
ボツリヌス毒素 (眼瞼下垂の効果を利用)
マトリクス・メタロプロテイナーゼ MMP (matrix metalloproteinase) 阻害剤内服薬
ダイヤモンド・バーによるボーマン膜 Bowman’s membrane の研磨
これら治療法の成功率はさまざまです。
角膜表層穿刺 (Anterior stromal puncture): インシュリン針または NdYAGレーザーを使用。RCE 難治例での成功率 80%までの報告あり。
エキシマー・レーザー治療的角膜切除術 (photo-therapeutic keratectomy PTK): 安全で有効な方法です。

<下略> Eye advance online publication, 15 July 2005; doi:10.1038/sj.eye.6702005.

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2005/10/29 at 23:19

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ドライアイ症候群とオメガ3脂肪酸

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ヒトが食事で摂取する脂肪酸に関して、脂肪酸の比率 n-3系:n-6系 はこれまで 1:2 であり、50年程前から、北アメリカでは同比率 1:10-20 に変化しているそうです。日本においても、
  参照ページ: [n-6系脂肪酸(リノール酸など)の] 過剰摂取による問題点
 » http://www.katuko.net/aboutfat-1.htm#fat5

日本食は、1960年代にはn-3系:n-6系の比率が1:3で大変良かったのですが、1980年代には1:5となり、明らかにn-6系脂肪酸(リノール酸)の過剰摂取となっています。

n-3系脂肪酸:
オメガ-3脂肪酸 omega-3 fatty acid, n-3系多価不飽和脂肪酸, "善玉"脂肪酸などとよばれます。魚やクルミなどに多く、docosahexaenoic acid(ドコサヘキサエン酸 DHA), eicosapentaenoic acid (エイコサペンタエン酸 EPA)などが含まれています。
n-6系脂肪酸:
オメガ-6脂肪酸 omega-6 fatty acid ともよばれ、多くの調理品、サラダ油、牛や豚などの動物の肉に含まれる脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸, オメガ6脂肪酸のバランスのとれた食事をすることが大切で、アンバランスが招く病気がいくつも知られています。
最近、シェーグレン症候群 Sjogren’s syndrome の原因と進行に食事因子が関与し、栄養学的な介入が病理学的異常の重症度を改善させる可能性があると言われています。また、続発性シェーグレン症候群においても食事因子を指摘する論文があり、2005年10月号「American Journal of Clinical Nutrition」にて、オメガ3脂肪酸がドライアイ症候群 dry eye syndrome のリスクを軽減すると報告されています。
(1) 「女性のドライアイ症候群に関連した食事脂肪摂取」
 » http://www.brighamandwomens.org/publicaffairs/Newsreleases/10.19.2005.Miljanovic.Dryeyes.asp
  Dietary Fat Intake Linked to Dry Eye Syndrome in Women
[一部のみ抄訳: 訳者注 発表論文コピーを今後入手予定です]
ボストンの Brigham and Women’s Hospital (BWH) と the Schepens Eye Research Institute の研究者が BWH-based Women’s Health Study に参加した女性 37,000人以上の調査データを解析した結果、特に、
オメガ3 omega 3の食事摂取量が最高値である女性は、食事のオメガ3摂取が最低値である女性に比べて、ドライアイ症候群 dry eye syndrome のリスクは 20パーセントまで減少しました。
食事比 オメガ6:オメガ3 dietary ratio of omega 6 to omega 3 が 15:1 (現在、平均的な米国の比率と同じ) 以上の場合、ドライアイ症候群のリスクは 2.5倍増加しました。
1週間に少なくともマグロ 5 食分(serving of tuna 訳者注: 人前, 皿) を食べている女性は、週 1食分の女性に比べて、ドライアイ症候群のリスクは 68パーセント減少しました。
オメガ3 がより低い値の他種の魚では、ドライアイ症候群の予防を助けるようには考えられない。
(2) 原発性および続発性シェーグレン症候群を有する女性の栄養素摂取
Eur J Clin Nutr. 2003 Feb;57(2):328-34.
Nutrient intake in women with primary and secondary Sjogren’s syndrome.
Cermak JM, Papas AS, Sullivan RM, Dana MR, Sullivan DA.
Schepens Eye Research Institute, Boston, Massachusetts 02114, USA.
[要約の一部のみ邦訳]
<上略>(d) 対照群に比べてシェーグレン症候群は全体として、カルシウム・サプレメントの摂取量(エネルギー補正後)は多く、サプレメントでないビタミンC, 多価不飽和脂肪, リノール酸, オメガ-3 脂肪酸 omega-3 fatty acid, 他の特定不飽和脂肪酸の摂取量(エネルギー補正後)は少ない。<下略>
(3) 原発性シェーグレン症候群患者の細胞膜および血漿中必須脂肪酸. 疾病兆候の分類と評価に新モデルを採用した臨床的および免疫病理学的数値との相関関係.
Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 1998 Oct;59(4):239-45.
Essential fatty acid status in cell membranes and plasma of patients with primary Sjogren’s syndrome. Correlations to clinical and immunologic variables using a new model for classification and assessment of disease manifestations.
Oxholm P, Asmussen K, Wiik A, Horrobin DF.
Copenhagen Sjogren’s Syndrome Research Centre, Department of Rheumatology U, Copenhagen County Hospital in Gentofte, Hellerup, Denmark.
[要約の邦訳: 訳者注 原文では必須脂肪酸名の一部はシグマ sigma と記載されていますが、現在使用されている オメガ omega と訳します.]
41名のシェーグレン症候群 Sjogren’s syndrome 患者を対象として、赤血球リン脂質, 血漿リン脂質, 血漿トリグリセライド, 血漿コレステロールエステル内の脂肪酸値を免疫病理学的および臨床的疾病状態と比較した。ドコサヘキサエン酸値は臨床的な疾病状態と最も密接に (逆)相関した (r=-0.33 から -0.50)必須脂肪酸 EFA であった。ジホモガンマリノレン酸とエイコサペンタエン酸の値はそれぞれ、IgMリュウマチ因子(r=-0.33) と抗 SSA/Ro抗体価 (r=-0.40) と逆相関した。さらに、抗 SSA/Ro抗体価 (r=-0.34-0.40) は炎症性アラキドン酸値と相関した (r=-0.34-0.40)。必須脂肪酸 オメガ n-3/n-6比 omega n-3 EFA/omega n-6 EFA ratio は、免疫病理学的および臨床的な疾病状態の量的推定値と有意に相関した。これらデータは必須脂肪酸代謝の炎症性ないし抗炎症性役割についての最近の見解に一致しており、介入研究に対する根拠を支持する。

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2005/10/28 at 13:12

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眼底検査正常・網膜機能障害有り

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通常の眼底検査では病変がわかりにくい網膜・網膜色素上皮の病気がいくつか知られています。
1993年, Gass JD が初めて報告した Acute zonal occult outer retinopathy も早期診断に際して電気生理学的検査(網膜電図)が極めて有力です。
  エントリー「AZOOR (Acute zonal occult outer retinopathy)」
 » http://infohitomi.biz/archives/000054.html
正常眼底と異常網膜電図: 鑑別診断
Klin Monatsbl Augenheilkd. 2002 Apr;219(4):259-63.
Normal fundus and abnormal electroretinogram: differential diagnosis
Niemeyer G, Schaefer A.
Elektroretinographie Labor, Universitats-Augenklinik,, Zurich, Switzerland.
[要約の邦訳]
目的: 検眼鏡による眼底検査で正常像を呈しているときの網膜機能異常を判定する.
方法: 桿体システムと錐体システムの全体野網膜電図 Ganzfeld electroretinography ERG が先天性または後天性網膜機能異常を検出するために使用された。5才未満の幼児に対して、吸入麻酔下に ERG検査を実施した。さらに、多局所網膜電図 multifocal electroretinography の方法は散在性の局所的網膜機能異常の検出する。ERG結果は規準データ、検眼鏡所見、視野検査結果と比較し評価する。典型的な ERG変化とそれに対応する鑑別診断を明確に示すために患者データを選択した。
結果: ERGでは異常結果であり検眼鏡的には正常眼底像を呈する 8つの典型例を示す。これらは以下の状態で観察された: (1) 停止性先天性機能異常, (2) 早期の遺伝性色素上皮網膜変性 hereditary tapetoretinal degeneration, (3) 中毒性網膜症または 癌関連網膜症 cancer-associated retinopathy (訳者注 別称: 腫瘍随伴症候群, 傍腫瘍性症候群 paraneoplastic syndrome)。これらの疾患では、ERG検査は桿体システムと錐体システムの機能異常を分離・検出することにより視野検査を補完した。
結論: 最も重要な診断決定過程において、ERGは眼底検査と網膜機能の心理物理学的検査を補完する。本診断検査により鑑別診断が容易となり、予後をはっきりさせることを補助し、遺伝カウンセリングの根拠を提供する。

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2005/10/19 at 20:35

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自律神経障害と瞳孔緊張症

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瞳孔緊張症 (アディー瞳孔)と深部腱反射の消失(アキレス腱の反射消失が最も多く、診断に際してとても重要な所見です)が同時にみられるとき、Adie 症候群(ないし、Holmes-Adie 症候群)とよばれます。
何らかの原因で「節後性副交感神経麻痺」が眼球に発生すれば、特徴的な瞳孔の異常となり、何らかの原因で多発性神経症(polyneuropathies)になれば、瞳孔の異常とアキレス腱などの神経反射障害が同時に起こります。
原因疾患は数多く知られています。文献調査をすると、重症筋無力症, シェーグレン症候群, 水痘, Charcot-Marie-Tooth病, 強皮症, ライム病, 片頭痛, 悪性腫瘍, 単純ヘルペス感染症など次々と病名がヒットします。
深部腱反射が障害されない分節性顔面無汗症と瞳孔緊張症: 新しい自律神経障害
J Neuroophthalmol. 2005 Mar;25(1):5-8.
Segmental facial anhidrosis and tonic pupils with preserved deep tendon reflexes: a novel autonomic neuropathy.
Kalapesi FB, Krishnan AV, Kiernan MC.
Department of Ophthalmology, Prince of Wales Clinical School, University of New South Wales, Sydney, Australia.
[要約の邦訳]
労作時の右顔面半側の顔面紅潮と発汗の症状が 31才の女性にみられた。 光が当たっても縮瞳しない軽度の散瞳 (瞳孔散大)所見および緊張性近見反応・再散瞳が診察により観察され、Adie 症候群 syndromeに一致する臨床像であった。他の神経学的検査は正常であり、深部腱反射は保たれていた。脳および脊椎のMRI Magnetic resonance imagingは正常であった。
片側性に汗腺神経系および血管運動神経系の障害がみられ、眼部の交感神経支配に障害がないとき、Harlequin 症候群 syndromeの診断条件を満たす。Harlequin 症候群とAdie 症候群との合併は、Ross 症候群 syndromeとよばれますが、自験例では「深部腱反射低下なし」のため、Ross 症候群の診断から除外されます。本症例は以前に記載されたことのない異型であり、自律神経障害のスペクトラムに複雑性が加わることになる。

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2005/10/18 at 11:27

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慢性中心性漿液性網脈絡膜症と光線力学療法

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慢性中心性漿液性網脈絡膜症に対して注射薬ベルテポルフィンを使用する光線力学的療法の有用性を報告した数編の医学論文はありますが、予備的研究や少数例の症例報告であり、ランダム化比較臨床試験は現時点(2005/10/16)では発見できません。
  エントリー「特発性中心性漿液性網脈絡膜症と視力低下因子」
» http://infohitomi.biz/archives/000048.html
  エントリー「加齢黄斑変性(症)に対するVerteporfin治療」
» http://infohitomi.biz/archives/000018.html
キーワード:

慢性中心性漿液性網脈絡膜症 chronic CSC
光線力学的療法 photodynamic therapy PDT
インドシアニングリーン眼底造影ガイド下ベルテポルフィン光線力学的療法 Indocyanine green angiography-guided PDT with verteporfin, PDT with ICG guidance
ベルテポルフィン verteporfin

Retina. 2003 Jun;23(3):288-98.
Indocyanine green angiography-guided photodynamic therapy for treatment of chronic central serous chorioretinopathy: a pilot study.
Yannuzzi LA, Slakter JS, Gross NE, Spaide RF, Costa DL, Huang SJ, Klancnik JM Jr, Aizman A.
LuEsther T. Mertz Retinal Research Center, Manhattan Eye, Ear, and Throat Hospital, New York, New York 10021, USA.
[続報が発表された時点で要約の邦訳を予定しています]

慢性中心性漿液性網脈絡膜症: 光線力学的療法
Am J Ophthalmol. 2004 Jun;137(6):1073-80.
Chronic central serous chorioretinopathy: photodynamic therapy.
Taban M, Boyer DS, Thomas EL, Taban M.
Retina-Vitreous Associates, Los Angeles, California, USA.
[要約の邦訳]
目的: 光干渉断層計とフルオレセイン眼底造影法を使用し、慢性中心性漿液性網脈絡膜症に対する光線力学療法の有効性を提示すること
研究デザイン: 一連の症例の介入研究
方法: 慢性中心性漿液性網脈絡膜症 4症例 (5眼)の実際の臨床診療における後向き研究。verteporfin 光線力学的療法による治療を行い、平均10か月の期間、光干渉断層計 optical coherence tomography(訳者注: OCTと略称します)とフルオレセイン眼底造影法による評価を行った。
結果: 治療前 OCTに比べて、漏出停止に伴う網膜下液貯留と漿液性剥離の急速な減少が治療眼 5眼に見られた。特に病初期に良好な視力であった患者において、著明な視力改善もみられた。しかしながら、色素性変化は持続した。
結論: verteporfin を使う光線力学的療法により、慢性中心性漿液性網脈絡膜症患者の液漏出、網膜下液貯留、漿液性剥離は減少し、結果的に視力は改善し、有益な効果があるように、一連のOCT検査が明らかにした。もし、光線力学的療法を病気のより早期に行うと、もっと良い視力成績を期待できる。

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2005/10/16 at 13:06

カテゴリー: 血管新生

ルブリカント眼軟膏とリポイド肺炎

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海外では、眼科用粘稠剤 Eye Lubricant を主成分とするドライアイ用点眼薬がいろいろ市販されています (国内では、商品化されたものは点眼液に限られているようです)。
ルブリカント眼軟膏 Lubricant Eye Ointment: ドライアイや眼球乾燥症の夜間、就寝中の症状緩和や眼刺激症状の予防のために、主に就寝前の使用が推奨されています。

Mayo Clin Proc. 1990 Apr;65(4):521-9.
点眼薬による肺合併症
Pulmonary complications from ophthalmic preparations.
Prakash UB, Rosenow EC 3rd.
Division of Thoracic Diseases, Mayo Clinic, Rochester, MN 55905.
[要約一部の邦訳] <上略>眼球乾燥症の治療のために軟膏 (Lacri-Lube [訳者注 1]) の局所使用開始後、右肺中葉の結節状浸潤と夜間の咳を特徴とする嚥下性肺炎 aspiration pneumonitis を来たした 67才の女性患者例について記述する。気管支洗浄により、脂質を含む肺胞マクロファージが証明された。Lacri-Lubeの使用中止後、咳と胸部レントゲン異常は完全に消失した。鉱物油 mineral oilとワセリン petrolatum を含む局所眼科用薬が鼻涙管を通って鼻咽頭、気管、気管支に流れ込み、油成分の吸入によりリポイド肺炎 lipoid pneumonitisを来たしたと著者らは推定する。著者らが知っている限りでは、本報告は Lacri-Lubeによる肺合併症の第 1報である。<下略>

訳者注 1: 製品名 Lacri-Lube
有効成分として、流動パラフィン Liquid paraffin (同意語 鉱物油 Mineral oil) 42.5% w/w と 軟性白石ろう Soft white paraffin (同意語 白色ワセリン White petrolatum) 56.8%~57.3% w/w を含有する眼軟膏です (添加物としてラノリン lanolinや防腐剤が少量含まれている商品などがあります)。

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2005/10/16 at 09:01

カテゴリー: 粘稠化剤