evidence-based medicine

Archive for 10月 2004

糸状角膜炎 (しじょうかくまくえん) と ドライアイ

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涙液 (減少) 欠乏型ドライアイを伴った糸状角膜炎の治療
Optom Vis Sci. 2003 Jun;80(6):420-30.
Management of filamentary keratitis associated with aqueous-deficient dry eye.
Albietz J, Sanfilippo P, Troutbeck R, Lenton LM.
Centre for Eye Research, Queensland University of Technology, O Blocj, QUT Kelvin Grove, Victoria Park Road, Kelvin Grove 4059, Australia.
目的: 糸状角膜炎の発症頻度、病態生理、臨床像をレビューするとともに、本疾患管理に際してのエビデンスに基づく最善の治療戦略を明確にすること
方法: 刊行された論文を包括的にレビューした。エビデンスに基づいて最善の臨床治療・管理戦略を推奨した。慢性糸状角膜炎3症例について症例提示した。
結果: 充分にデザインされた研究がないためエビデンスは限られているが、最新のエビデンスから、
(1) 涙液欠乏型のドライアイ (乾性角結膜炎) が糸状角膜炎を伴う最も一般的な基礎疾患である。
(2) 糸状角膜炎に対する最新の最善な治療法は、基礎疾患であるドライアイ治療と糸状角膜炎の特異的治療の2つである。提唱されているものは、防腐剤無添加で潤滑作用を有する点眼液、ステロイド点眼液、非ステロイド性消炎点眼液、涙点プラグによる涙液欠乏型ドライアイ治療と、糸状物の機械的除去、高浸透圧食塩水、粘液溶解剤、保護用コンタクトレンズによる糸状物治療である。
(3) 糸状角膜炎はコンタクトレンズ装用、白内障手術や角膜移植術などの眼手術により誘発されたり、悪化する。
糸状角膜炎を合併している、または併発しやすい患者に対して眼手術の予定があれば、術前・術後に眼表面の治療も計画すべきである。
糸状角膜炎は、長期の眼局所ないし全身薬物治療によっても誘発されたり、悪化する。これらの症例に対して、涙液層 (フィルム) や眼表面を治療管理するために、代替治療や追加検査が必要となるかもしれない。
結論: 糸状角膜炎は慢性、再発性、消耗性の疾患である。診断および治療に際して全身的にアプローチすると、糸状角膜炎を効果的にコントロールでき、再発の頻度と重症度を最小限にとどめることができる。

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2004/10/16 at 21:22

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医原性 脈絡膜新生血管 レーザー治療 動物モデル (サル眼)

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サル眼において強力なレーザー網膜照射を行うと、黄斑部では脈絡膜新生血管が好発する

Arch Ophthalmol. 2004 Mar;122(3):353-60.
http://archopht.ama-assn.org/cgi/content/abstract/122/3/353

Predilection of the macular region to high incidence of choroidal neovascularization after intense laser photocoagulation in the monkey.
Shen WY, Lee SY, Yeo I, Lai CM, Mathur R, Tan D, Constable IJ, Rakoczy PE.
Department of Molecular Ophthalmology, Lions Eye Institute, and Centre for Ophthalmology and Visual Science, University of Western Australia, Nedlands.

目的:サル眼において、脈絡膜新生血管 (CNV) を高頻度に作成する動物モデルのキーファクターを決定すること。
方法:クリプトン赤、緑黄色、アルコン社波長変換半導体レーザーを使用し、サル4匹8眼に強力なレーザー網膜光凝固を行った。
各眼では、耳側血管アーケード内に8個から13個の (照射)病変を作成した。レーザー治療後、第2週および第4週に蛍光眼底撮影を行い、脈絡膜新生血管 (CNV) の発生をモニターし、組織学的にも解析した。
結果:CNVは黄斑部において、より高頻度に発生した (黄斑部の解剖学的位置を視神経乳頭径 (横径)×平均 2.5 (+/- 標準偏差 0.4) 倍とすると)。
眼科レーザーの種類とは関係なく、黄斑部網膜内の病変の 72% に蛍光色素の漏出が見られ、黄斑外病変では 12% であった (P<.001)。組織学的な検査では、顕微鏡学的な CNV 所見は黄斑部病変では 89%、黄斑外病変では 22% の頻度で観察された。
結論:サル眼では、黄斑部網膜はレーザー照射による脈絡膜新生血管を作成しやすい。
臨床との関連性:本実験結果は、ヒトでのレーザー治療後の中心窩下脈絡膜新生血管の高い再発率の説明となるかもしれない。

訳者注:黄斑部網膜に発生し、レーザー治療の対象となる代表的な眼疾患として、加齢黄斑変性、中心性漿液性網脈絡膜症があります。

【総説論文】医原性脈絡膜新生血管
Surv Ophthalmol. 1999 Sep-Oct;44(2):95-111.
Iatrogenic choroidal neovascularization.
Lim JI.
The Doheny Eye Institute, Los Angeles, California 90033, USA.

レーザー網膜光凝固術や眼手術後の医原性脈絡膜新生血管は、まれな合併症です。その発生には多くの状態・機序が関与します (Bruch膜や網膜色素上皮の損傷、修復過程での血管新生因子の放出など)。また、炎症細胞や脈絡膜虚血もその一因かもしれません。発生した場合の予後については、原疾患の状態や新生血管の種類に関係します。レーザー治療に際して、照射エネルギー量を最小限にすること、同一部位への反復照射を避けること、網膜下の色素上皮や脈絡膜への直接的で機械的な障害を最小限にすることにより、医原性脈絡膜新生血管の発生は減少します。

Written by support

2004/10/10 at 11:18

カテゴリー: 血管新生