evidence-based medicine

Archive for 5月 2004

虹彩異色

leave a comment »

左右眼で茶目(虹彩)の色が異なるとき、「虹彩異色 (こうさいいしょく)」とよばれます。
先天性では、虹彩、網膜の色調変化のほかに皮膚、毛髪の白変、聴力障害を合併する遺伝性疾患 「Waardenburg 症候群 Syndrome」がよく知られています。遺伝性感音性難聴を来たしますので、出生後できるだけ早期の診断、治療、訓練が必要です。
参照ページ: 岡山大学医学部耳鼻咽喉・頭頚部外科学教室のホームページ
  http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/oto/synd.html#Waardenburg%20syndrome
なお、「症候群性難聴」 「症候性難聴」とは、聴覚障害だけでなく、眼の異常、色素異常、内分泌代謝異常、腎尿路系、神経系の異常、いろいろな奇形を伴う病気のことです。
Jpn J Ophthalmol. 2003 Jan-Feb;47(1):77-84.
Clinical findings in Japanese patients with Waardenburg syndrome type 2.
Ohno N, Kiyosawa M, Mori H, Wang WF, Takase H, Mochizuki M.
Department of Ophthalmology and Visual Science, Tokyo Medical and Dental University, Graduate School, Tokyo, Japan.

広告

Written by support

2004/05/31 at 17:10

カテゴリー: Uncategorized

抗アレルギー薬トラニラスト

leave a comment »

ウサギの眼内(硝子体)に増殖膜が起こりやすい物質を注射し、直ちにトラニラストを同組織に注射すると、トラニラストを注射しなかった対照眼に比べて増殖膜の発生が明らかに抑制されたとの実験報告があります。
また、同点眼液にはヒト白内障術後の水晶体膜(後嚢)の混濁を抑制する効果があるとの予備的な臨床研究が報告されています。
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 1999 Aug;237(8):691-6.
The effect of tranilast on experimental proliferative vitreoretinopathy.
Ito S, Sakamoto T, Tahara Y, Goto Y, Akazawa K, Ishibashi T, Inomata H.
Department of Ophthalmology, Faculty of Medicine, Kyushu University, Fukuoka, Japan.
J Cataract Refract Surg. 1999 Oct;25(10):1394-9.
Effect of tranilast eyedrops in preventing posterior capsule opacification: preliminary report.
Tobari I, Iwaki Y, Miyake K.
Second Department of Ophthalmology, Toho University School of Medicine, Tokyo, Japan.
抗アレルギー薬トラニラスト(商品名リザベンなど)の内服薬には、ケロイド・肥厚性瘢痕治療剤としての効能もあります。

Written by support

2004/05/31 at 16:47

カテゴリー: Uncategorized

第一次硝子体過形成遺残の手術成績

leave a comment »

Reese(1955年)は、第一次硝子体過形成遺残(PHPV)の症例についての詳細な報告を行い、治療を行わないと再発性硝子体出血、続発性緑内障を来たし眼球萎縮に至ることが多いと述べた。その後、他の研究者から自然寛解例の報告も行われてはいるが、眼球の形態維持のためには症例を選択した上で手術を行うことが今日でも推奨されている。

手術対象症例の多い下記臨床報告2編を要約し、お伝えいたします。
【論文1】
Ophthalmology. 1999 Feb;106(2):280-4.
Surgical results of persistent hyperplastic primary vitreous.
Dass AB, Trese MT.
William Beaumont Hospital, Royal Oak, Michigan and Eye Research Institute, Oakland University, Rochester, USA.

(論文を読んで注目すべきところ)1980年代から1990年代前半の手術方法による成績であること。対象症例として、両眼性や全身合併症を有するPHPV症例の比率が多いようである。

【論文2】
J AAPOS. 2002 Apr;6(2):92-9.
Unilateral persistent hyperplastic primary vitreous: course and outcome.
Anteby I, Cohen E, Karshai I, BenEzra D.
Pediatric Ophthalmology Unit, Hadassah University Hospital, Jerusalem, Israel.

(論文を読んで注目すべきところ)片眼性の第一次硝子体過形成遺残症例の非手術、手術後経過が詳細に調査されている。20ヶ月~20年間経過を観察した89症例(89眼)中、4人中1人が最終矯正視力 0.1以上であった【24.1%(21/87眼)】。手術の適応などに関して症例のランダム割付は行われていない、後向き臨床調査である。眼内レンズ挿入術の利点などについての考察がなされている。

【論文1】
1982年から1994年にかけてPHPVと診断された27症例35眼について。
8症例16眼は両眼性、19例19眼は片眼性。
手術時期:新生児期~7歳。
35眼中29眼で手術が行われた(経過観察期間2ヶ月~12年)。
症状:白色瞳孔(14例), 小眼球(4例), 斜視(4症例), 視力低下(3例), 眼振(1例)など。全身合併症は6症例にみられた。
3症例4眼は術前VEP(視覚誘発電位検査)で応答がなく、眼病変も高度であったため、手術を行わなかった。
35眼中、前眼部型2眼、後眼部型8眼、混合型24眼(68.6%)。
29眼で手術が行われた。
前眼部型2眼:前部硝子体切除および水晶体摘出術
後眼部型8眼および混合型19眼:
  硝子体切除および水晶体摘出術 24眼
  他手術法 3眼
初回手術時、24眼(68.8%)で水晶体摘出術と硝子体手術を行った。
再手術は32.3%に行われた。手術目的は線維増殖、緑内障、硝子体出血、網膜剥離、斜視など。
術後最終矯正視力は(0.3)から(光覚なし)であった。29眼中6眼で視力0.025以上が得られた。
内訳(括弧内は眼数)
 0.3程度 (1)
 0.1 (1)
 0.05 (2)
 0.03程度(1)
 0.025 (1)

 指数弁 (1)
 手動弁 (5)
 光覚 (4)
 不確実な光覚 (7)
 光覚なし(4)
 視力安定(2)

0.025以上の術後視力が得られた6眼(35眼中では17%)は、網膜の形成異常を合併していたが、視力は経過観察中に維持できた。

【論文2】
症例数:89症例(M37,F52)
手術時期:1984~1999年
受診時年齢:0歳~9歳
症状:全例に白内障と小眼球が見られている。
病型:前眼部型 32.5% 後眼部型 31.4% 混合型 33.7%
治療法:
【手術】水晶体摘出および胎生期遺残硝子体摘出(症例により眼内レンズIOLを挿入)
 61眼(68.5%) 
   IOL有り 30眼
   IOL無し 31眼(術後コンタクトレンズによる矯正。困難なとき、メガネを半日使用(+健眼遮蔽))

【経過観察のみ】
 28眼(31.5%)
経過観察期間:20ヶ月~20年(中央値4年、平均値 6.3年)

美容的評価⇒:高度の小眼球、緑内障による眼球拡大 角膜白斑(内皮代償不全ないしCa沈着)、白色瞳孔の症例

手術時年齢:生後2週~9年(中央値 生後6ヶ月、平均値 1.2歳)

■ 最終診察時視力(以下の視力はすべて矯正視力)
全体(87眼中) 視力 0.4以上 12.6% 0.1以上 24.1% 光覚なし 29.9%

手術症例(眼) 視力 0.4以上 15.0% 光覚なし 26.7%
     IOL有り  視力 0.1以上 33.3% 光覚なし 10.0%
     IOL無し  視力 0.1以上 16.7% 光覚なし 43.3%
非手術例(眼) 視力 0.1以上 22.2% 0.4以上 7.4% 光覚なし 37.0%

統計学的な有意差:
光覚(-)の症例の頻度はIOL有りで少ない(P=.009)。

■ 病型別の最終視力比較

前眼部型   視力  0.4以上 17.8% 0.1以上 25.0%
後眼部型   視力  0.4以上 17.2% 0.1以上 44.8%
混合型     視力  0.4以上  3.3% 0.1以上  3.3% 光覚なし 53.3%

統計学的な有意差:
光覚(-)の症例の頻度は混合型に多い(P=.001)。

■ 病型別の非手術眼の内訳

前眼部型 10.7%( 3/28眼)
後眼部型 53.3%(15/28眼)
混合型  35.7%(10/28眼)

■ 眼内レンズ(IOL)挿入術

IOL有り   前部型 50.0% 後部型 26.7% 混合型 23.3%
IOL無し   前部型 35.5% 後部型 45.1% 混合型 19.3%
非手術眼     前部型 10.7% 後部型 53.5% 混合型 35.7%

■ 合併症 

緑内障(72眼中)
手術症例(眼)   16.4%(9/55眼)
     IOL有り     8.3%(2/24眼)
     IOL無し    22.6%(7/31眼)
非手術例(眼)    11.8%(2/17眼)

網膜剥離(89眼中)
手術症例(眼)   14.8%(9/61眼)
     IOL有り     3.4%(1/30眼)
     IOL無し    25.8%(8/31眼)
非手術例(眼)   10.7%(3/28眼)

統計学的な有意差:
全経過中の網膜剥離の発生頻度はIOL有りで少ない(P=.003)。

後発白内障
  IOL有り    31.0%(9/30眼)
  IOL無し    25.8%(8/31眼)

追加手術  手術数合計43回
 斜視手術が最も多く、他に後発白内障、緑内障、網膜剥離の手術を行った。

● 眼球摘出術(ないし、眼球内容除去術)は

  IOL有り       0%(0/30眼)
  IOL無し    16.1%(5/31眼)

統計学的な有意差:
眼球摘出術(ないし、眼球内容除去術)はIOL有りで少ない(P=.003)。

● 美容的評価 (劣)の症例数

手術症例(眼)   27.9%(17/61眼)
     IOL有り    16.7%( 5/30眼)
     IOL無し    38.7%(12/31眼)
非手術例(眼)   35.7%(10/28眼)

統計学的な有意差:
義眼の処方についてはIOL無で有意に多かった(P=.003)。

          以上

Written by support

2004/05/27 at 21:45

カテゴリー: 硝子体

第一次硝子体過形成遺残

with 3 comments

第一次硝子体過形成遺残
手術後の視力、合併症、美容問題などについて
【論文1】
Ophthalmology. 1999 Feb;106(2):280-4.
Surgical results of persistent hyperplastic primary vitreous.
Dass AB, Trese MT.
William Beaumont Hospital, Royal Oak, Michigan and Eye Research Institute, Oakland University, Rochester, USA.
【論文2】
J AAPOS. 2002 Apr;6(2):92-9.
Unilateral persistent hyperplastic primary vitreous: course and outcome.
Anteby I, Cohen E, Karshai I, BenEzra D.
Pediatric Ophthalmology Unit, Hadassah University Hospital, Jerusalem, Israel.

Written by support

2004/05/13 at 10:35

カテゴリー: 硝子体

特発性網膜上膜の自然経過

leave a comment »

「特発性網膜上膜」に関しては、オーストラリアで行われた有名な眼科疫学調査があります。対象住民 49歳以上 3654人を5年間調査したものです。100人余りが本疾患を有し、5年後に両眼性になった(13.5%) 5年後に病期(重症度)が進行した(9.3%)のですが、全般的には、”上膜”は増えた(28.6%)、減少した(25.7%), 変化がなかった(38.8%)です。
Ophthalmology. 2003 Jan;110(1):34-40.
Five-year cumulative incidence and progression of epiretinal membranes: the Blue Mountains Eye Study.
Fraser-Bell S, Guzowski M, Rochtchina E, Wang JJ, Mitchell P.
Department of Ophthalmology and the Save Sight and Westmead Millennium Institutes, the University of Sydney, Sydney, Australia.

Written by support

2004/05/11 at 16:02

カテゴリー: Uncategorized

医療用遮光レンズ等について

leave a comment »

眼科医療相談用の公開掲示板
http://cgi12.plala.or.jp/yamamura/yybbs/index.cgi
の下記回答では、眼鏡レンズ専門メーカーのホームページにリンクしています。
Re: パソコンの利用は目に悪いでしょうか? 回答者 – 2004/04/30(Fri) 14:59 No.2320 (複写)
==
網膜色素変性症の方に使用いただきたい特殊眼鏡レンズは、十数年前には種類やデザインとも限られていました。また、室内での使用に適したものは殆どなかったと思います。最近では、パソコン作業用に適したもので、かつ紫外線などの有害光線をカットするレンズ、フレームが数多く開発、販売されています。
本掲示板は、営利を目的としておりませんので、今回のご質問に限り、医療用遮光レンズおよび高機能フィルターレンズ、高機能フレームの実例として、眼鏡レンズ専門メーカー東海光学株式会社のホームページを参照先としてお知らせいたします。(リンク申請後、メーカーのご許可があり、リンクを有効としました。)
==
今後、レンズメーカーについてはリンク許可をいただいた時点で、当サイトに追記いたします。

Written by support

2004/05/07 at 10:14

カテゴリー: Uncategorized